赤字・債務超過の会社でも売却できる? M&Aの可能性
最終更新: 2026-06-18
「赤字だから」「債務超過だから」会社は売れない——とは限りません。実際には、赤字・債務超過の会社がM&Aで承継される例は数多くあります。買い手が見るのは、足元の損益だけではないからです。本稿では、赤字・債務超過でも売却できる理由と、その場合の評価の考え方を解説します。
買い手が価値を見出すポイント
- 顧客基盤・取引先ネットワーク・市場シェア
- 技術・ノウハウ・ブランド・許認可(取得に時間がかかるもの)
- 人材・拠点・設備
- 買い手とのシナジー(統合により黒字化できる見込み)
赤字の原因が一過性のもの(先行投資・一時費用)であったり、買い手の販路やコスト構造に乗せれば黒字化できる場合、対象会社は十分に魅力的な買収対象になります。
評価の考え方
赤字企業では収益性手法(DCF法等)が成立しにくいため、時価純資産法や事業資産の価値、シナジーを軸に評価することが多くなります。債務超過でも、事業に価値があれば事業譲渡などのスキームで、価値のある事業だけを切り出して引き継げる場合があります。
まずは「どの手法でいくらになるか」「適用できない手法は何か」を整理することが出発点です。自社の状況で算定可能な手法を確認するだけでも、打ち手が見えてきます。
売り手が準備しておきたいこと
- 赤字の要因を説明できるようにする(一過性か構造的かで見え方が変わる)。
- 価値の源泉(顧客・技術・人材など)を整理して伝えられるようにする。
- 負債・簿外債務の状況を正確に把握しておく(DDで必ず問われる)。
よくある質問(FAQ)
Q. 債務超過でも本当に売れますか?
A. 事業そのものに価値があれば、事業譲渡などで引き継がれる可能性があります。会社の純資産がマイナスでも、事業価値はプラスのことがあるためです。
Q. 赤字だと価格はゼロですか?
A. 必ずしもそうではありません。資産価値やシナジー、黒字化の見込みが価格の根拠になります。早めに価値の目安を把握することが大切です(目安)。
まとめ
赤字・債務超過でも、顧客・技術・人材・許認可・シナジーといった価値があれば、M&Aで承継できる可能性があります。評価は時価純資産や事業資産価値、シナジーが軸になります。「自社のどこに価値があり、どの手法でいくらになるか」を整理することが、廃業以外の道を探る第一歩です。