米国のM&A実務ガイド|プロセスと契約用語(LOI・表明保証・アーンアウト)

最終更新: 2026-06-19

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M&Aの実務用語の多くは、米国の実務に由来します。クロスボーダー案件や、海外の手法を理解するうえで、米国のM&Aプロセスと契約用語を押さえておくと役立ちます。日本のM&Aの流れとあわせて理解すると、違いが明確になります。

米国M&Aの一般的なプロセス

  • NDA(秘密保持契約): 情報開示の前提
  • IOI / LOI(関心表明・基本合意書): 価格レンジや主要条件、独占交渉権の合意
  • デューデリジェンス: 財務・税務・法務・事業などの精査(DDの基礎
  • Definitive Agreement(最終契約): 株式譲渡契約(SPA)等の締結
  • Closing(クロージング): 取引実行・決済

押さえておきたい契約用語

表明保証(Representations & Warranties)

売り手が、会社の財務・法務・事業に関する事実を「真実である」と表明・保証する条項です。これに違反(不実)があった場合の責任が、後述の補償につながります。

補償(Indemnification)・エスクロー(Escrow)

表明保証違反などで買い手が損害を被った場合に、売り手が補償する仕組みです。補償の担保として、買収代金の一部を一定期間エスクロー(第三者預託)するのが一般的です。

アーンアウト(Earnout)

買収後の業績(売上・利益など)の達成度に応じて、追加対価を後払いする仕組みです。価格のギャップを埋め、将来の不確実性を分担する手段として使われます。

運転資本調整・MAC条項

  • Working Capital Adjustment: クロージング時の運転資本の過不足に応じて価格を調整
  • MAC / MAE条項: 重大な悪影響(Material Adverse Change/Effect)が生じた場合に取引を見直せる条項
  • R&W保険: 表明保証違反のリスクを保険でカバーする実務も広がっている

日本との主な違い

  • 契約が詳細・大部で、弁護士が主導する度合いが高い
  • 表明保証・補償・エスクローなどの仕組みが精緻に設計される
  • アーンアウトやR&W保険の活用が比較的一般的

よくある質問(FAQ)

Q. アーンアウトとは何のための仕組みですか?

A. 売り手と買い手の価格観のギャップを埋め、将来の不確実性を分担する仕組みです。買収後の業績達成度に応じて追加対価を後払いします。

Q. 米国流の用語は日本のM&Aでも使われますか?

A. 表明保証・補償・アーンアウトなどは日本のM&A実務にも取り入れられています。クロスボーダーや大型案件ほど米国流の精緻な契約設計が用いられます。

まとめ

米国M&Aは、NDA・LOI→DD→最終契約→クロージングというプロセスで進み、表明保証・補償・エスクロー・アーンアウト・運転資本調整などの契約用語が精緻に設計されます。日本より契約が大部で弁護士主導の度合いが高いのが特徴です。用語を押さえると国内案件の理解も深まります。

※ 法務・税務・会計は国・案件により大きく異なります。本記事は概要であり、実際の取引は各国の専門家にご相談ください。

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