株価算定書の費用相場と、ツールとの使い分け
最終更新: 2026-06-18
自社株や買収対象の価値を知りたいとき、「株価算定書(バリュエーションレポート)」を専門家(会計士・FA・評価会社)に依頼すると、目的・手法・会社規模に応じて費用が変わります。一般に、簡易な意見書から、第三者算定機関による本格的な評価書まで幅があり、後者ほど高額になります。本稿では費用の考え方と、セルフ型ツールとの賢い使い分けを解説します。
費用に影響する主な要因
- 目的(社内検討の目安か、対外的な根拠資料/フェアネス・オピニオンか)
- 採用する手法の数・精緻さ(DCF法+類似会社比較法+感応度分析など)
- 会社の規模・事業の複雑さ・必要な調査範囲
- 納期(短納期は割増になりやすい)
目的が「対外的に説明責任を果たすため」になるほど、調査・記述の負担が増え、費用は上がる傾向があります。
用途レベルと費用感の目安
| レベル | 用途 | 費用感の傾向 |
|---|---|---|
| セルフ型ツール | 初期検討・社内の目安づかみ | 低コスト(数千円〜) |
| 簡易な算定・意見書 | 交渉のたたき台 | 中程度 |
| 第三者算定機関の評価書 | 対外的な根拠・係争・フェアネス | 高額になりやすい |
目的別の使い分け(おすすめの進め方)
重要なのは「いきなり高額な算定書を発注しない」ことです。次のステップが費用対効果に優れます。
- ① 初期検討 … まず低コストで価値の目安(レンジ)を把握し、論点(どの手法でいくらか、感応度はどうか)を整理する。
- ② 交渉段階 … 目安をもとに相手と方向性を擦り合わせる。
- ③ 対外的に根拠が要る場面に限って … 専門家の精緻な算定書につなげる。
財務データを入力するだけで複数手法のレンジを短時間で把握できれば、交渉や意思決定の出発点として十分機能します。事業承継での株価検討(事業承継における株価算定)や会社売却の相場感の把握にも、まず目安をつかむ進め方が有効です。
よくある質問(FAQ)
Q. セルフ型ツールの結果は、専門家の算定書の代わりになりますか?
A. 目的が異なります。ツールは初期検討の目安(レンジ)を素早く得るためのもので、対外的な根拠資料が必要な場面では専門家の算定書が求められます。役割を分けて使うのが合理的です。
Q. 算定書の費用はどのくらい見ておけばよいですか?
A. 目的・規模・手法で幅が大きく、一概には言えません。まず目安を把握して論点を絞ってから見積もりを取ると、過不足のない依頼ができます。
まとめ
株価算定書の費用は、目的・手法・会社規模・納期で大きく変わります。費用を抑える鍵は「いきなり高額発注をしない」こと。初期はセルフ型で目安レンジと論点をつかみ、対外的に必要な場面に限って専門家の精緻な算定書につなげる——この段階的な進め方が、費用対効果を高めます。