ターミナルバリュー(継続価値)とは? DCF法での計算

最終更新: 2026-06-18

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ターミナルバリュー(TV=継続価値・残存価値)は、DCF法で事業計画の予測期間が終わったそれ以降の価値をまとめて表したものです。事業は計画期間(通常5年程度)の後も続くため、その先のキャッシュフローが生む価値を1つの金額に集約して評価に加えます。DCF評価額の過半を占めることも多く、置き方が結果を大きく左右する重要パートです。

なぜターミナルバリューが必要なのか

DCF法では、信頼できる事業計画が作れる期間(5年など)のFCFを個別に予測します。しかし会社は6年目以降も事業を続けます。6年目以降を1年ずつ無限に予測するのは現実的でないため、予測期間以降をまとめて1つの価値として評価する——これがターミナルバリューの役割です。

主な計算方法

① 永久成長率法(ゴードン・モデル)

予測最終年度のFCFが、その後一定の成長率(g)で永久に成長し続けると仮定する方法です。

TV = 予測最終年度のFCF ×(1+g)÷(WACC − g)

gには長期的な経済・物価成長を超えない控えめな値(0〜1%程度を置くことが多い)を用います。WACCとgが近づくほどTVは急激に大きくなるため、gの置き方には特に注意が必要です。

② マルチプル法(出口倍率法)

予測最終年度のEBITDAなどに、想定する売却倍率(EV/EBITDA倍率など)を掛けて求める方法です。市場の相場観を反映できますが、倍率の前提に依存します。

簡単な計算例(イメージ)

予測最終年度のFCF 1億円、WACC 8%、永久成長率 g=1%と仮定。
TV = 1億円 ×(1+0.01)÷(0.08 − 0.01)= 1.01億円 ÷ 0.07 ≒ 約14.4億円
これは予測最終年度時点の価値なので、さらにWACCで現在価値に割り引いてからDCFに加えます。
(仕組みを示す例・目安

影響の大きさと注意点

DCF評価額に占めるターミナルバリューの割合は半分以上になることも多いため、永久成長率(g)やWACCのわずかな差が結果を大きく動かします。実務では次の点に注意します。

  • gを高く置きすぎない(長期の経済成長率を超える永久成長を仮定しない)。
  • 2つの方法(永久成長率法と出口倍率法)でクロスチェックし、結果が大きく食い違わないか確認する。
  • TVは予測最終年度時点の値なので、現在価値への割引を忘れない。
  • 前提を振った感応度分析でレンジを確認する。

よくある質問(FAQ)

Q. 永久成長率はどう決めればよいですか?

A. 長期の物価上昇率・経済成長率を超えない範囲で、控えめに(0〜1%程度を置くことが多い)設定します。会社が永久に市場平均を超えて成長し続ける前提は現実的でないためです。

Q. 永久成長率法と出口倍率法、どちらを使うべきですか?

A. どちらか一方に決めるより、両方で算定して整合性を確認するのが安全です。大きく乖離する場合は前提を見直します。

Q. ターミナルバリューが評価額の大半を占めるのは問題ですか?

A. DCF法では珍しくありませんが、それだけ前提(g・WACC)の影響が大きいということです。感応度分析でレンジを必ず確認しましょう。

まとめ

ターミナルバリューは、DCF法で予測期間以降の価値をまとめて表す重要な構成要素です。永久成長率法と出口倍率法があり、gやWACCのわずかな差で結果が大きく動きます。控えめな前提・2法のクロスチェック・現在価値への割引・感応度分析——これらを押さえることが、過大評価を避ける鍵になります。

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