類似業種比準価額 計算ツール

類似業種比準価額は、同じ業種の上場会社の株価を基準に、配当・利益・純資産の3つを比べて非上場株式の評価額を出す方法です。財産評価基本通達180・183の算式をそのまま実装しました。国税庁が公表する業種目別のデータを転記して使います。入力した数値はブラウザ内で計算され、サーバーに送信されません。

類似業種比準価額を、財産評価基本通達180・183の算式にもとづいて計算します。類似業種の株価A・配当金額B・利益金額C・純資産価額Dは、国税庁が年分ごとに公表している業種目別のデータから転記してください。評価会社の配当・利益・純資産は決算書と法人税申告書から入力します。入力した数値はブラウザ内で計算され、どこにも送信されません。

① 類似業種の株価A(5つのうち最も低いものを採る)

評基通182。該当する業種目の欄から転記します。分からない候補は空欄で構いません。

採用する株価A:398

② 類似業種のB・C・D

③ 評価会社の数値

1株当たりの利益金額の算定(評基通183(2))
会社規模(斟酌率)

計算結果

要素評価会社(50円換算)類似業種要素別比準割合
配当金額5.00B 5.200.96
利益金額60.00C 38.001.57
純資産価額(帳簿価額)300.00D 315.000.95
比準割合 =(ⓑ/B + ⓒ/C + ⓓ/D)÷ 31.16

要素別比準割合・比準割合はいずれも小数点以下2位未満を切り捨てています。3つの要素の比重は1:1:1です(平成29年改正)。

1株(50円)当たりの比準価額

277.0

A 398円 × 比準割合 1.16 × 斟酌率 0.6

1株当たりの比準価額

27,701

× (1株当たり資本金等の額 5,000円 ÷ 50円)

※ 本ツールは財産評価基本通達180・183の算式を実装した概算です。業種目は小分類(または中分類)と、その上位の中分類(または大分類)の2通りで計算し、低い方を採ることとされています。業種目の判定、評価明細書への記載、特定の評価会社の該当性を含め、実際の申告にあたっては必ず税理士にご確認ください。

算式の構造

価額 = A ×〔(ⓑ/B + ⓒ/C + ⓓ/D)÷ 3〕× 斟酌率 ×(1株当たりの資本金等の額 ÷ 50円)

Aは類似業種の株価、B・C・Dは類似業種の1株当たりの配当金額・年利益金額・純資産価額(帳簿価額)です。小文字のⓑ・ⓒ・ⓓが評価会社の同じ3つで、いずれも1株当たりの資本金等の額を50円とした場合の金額に直してから比べます。つまり、資本金の大小という見かけの違いを消したうえで、上場会社と比べる仕組みです。

最後に「1株当たりの資本金等の額 ÷ 50円」を掛けて、実際の1株当たりの金額に戻します。資本金等の額が1株5,000円なら100倍になる、ということです。

比重は「1:1:1」——1:3:1は古い情報

3つの比準要素の比重について、現行は1:1:1(分母は3)です。かつては利益を3倍に重く見る1:3:1(分母5)でしたが、平成29年4月27日付の通達改正で1:1:1に変わりました。改正時に公表された国税庁の説明によれば、検証の結果「1:1:1という比重が最も実際の株価と評価額との乖離が少なく、適正に時価が算出されると認められた」ためとされています。

この改正は実務的な意味が大きいものでした。利益の比重が3分の1に下がったことで、利益が大きく出ている会社の評価額は相対的に下がり、純資産が厚い会社の評価額は相対的に上がる方向に働くためです。インターネット上には改正前の1:3:1で解説している記事がいまも残っているので、計算式を確認するときは分母が3になっているかを見てください。

株価Aは5つの候補から「最も低いもの」

通達は、類似業種の株価として次の5つを挙げ、そのうち最も低いものを採れる構成になっています。

  • 課税時期の属する月の株価
  • その前月の株価
  • その前々月の株価
  • 前年平均株価
  • 課税時期の属する月以前2年間の平均株価

相場が上昇している局面では、2年平均や前年平均が最も低くなることが多くなります。上のツールは入力した候補の中から自動で最小値を採ります。5つすべてを埋めないと、本来採れたはずの低い株価を見落とすので、面倒でも全部転記してください。

A・B・C・Dはどこから持ってくるか

国税庁が年分ごとに公表している「類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について」という法令解釈通達に、業種目ごとのA・B・C・Dが掲載されています。本ツールはこのデータを内蔵していません。理由は2つあります。

1つめは、データが年分ごとに作り直されることです。標本会社が入れ替わるため、同じ業種目でも前年の数値をそのまま使うことはできません。国税庁自身が、年分をまたいで数値が異なることに留意するよう注記しています。2つめは、公表形式がPDFのみで、機械的に読み取ると列がずれる危険があることです。税額に直結する数字を、こちらの取り込みミスで誤らせるリスクを負うべきではないと判断しました。

手元で転記するときは、課税時期の年分に対応する通達を使い、業種目番号を確認してください。業種目は直前期末以前1年間の取引金額にもとづいて判定し、2以上の業種にまたがる場合は取引金額の割合が50%を超える業種目によります。業種区分の考え方は会社規模区分の判定ツールと共通する部分があります。

評価会社側の3つの数字

ⓑ 1株当たりの配当金額

直前期末以前2年間の配当金額の合計の2分の1を使います。ここは1年を選ぶことができません。特別配当・記念配当など、将来毎期継続することが予想できない金額は除きます。配当の基本は配当とはをご覧ください。

ⓒ 1株当たりの利益金額

会計上の利益ではなく法人税の課税所得金額が出発点です。そこから固定資産売却益・保険差益などの非経常的な利益を除き、益金に算入されなかった受取配当等(所得税額相当額を除く)と、損金に算入された繰越欠損金の控除額を加算します。直前期の1年で見るか、直前期末以前2年間の平均で見るかは納税義務者が選べます。計算結果が負数のときは0とします。

この「選べる」という点は見落とされがちですが、実務では効きます。直前期がたまたま良かった会社は2年平均のほうが有利になりますし、逆もあります。両方を計算して低いほうを採るのが基本です。

ⓓ 1株当たりの純資産価額(帳簿価額)

直前期末の資本金等の額と利益積立金額の合計額を使います。貸借対照表の純資産の部ではなく、法人税申告書別表五(一)の数値です。利益積立金額がマイナスの場合は資本金等の額から控除し、控除後も負数になるときは0とします。

比準要素が0のときは要注意

配当・利益・純資産のうち2つ以上が0の場合、単純に比準価額を計算して終わりにはできません。直前々期末を基準にした金額でも2つ以上が0であれば「比準要素数1の会社」に当たり、原則として純資産価額で評価する(納税義務者の選択によりLを0.25とした併用方式も可)ことになります。3つとも0なら「開業後3年未満の会社等」として純資産価額によります。

無配で、赤字が続いていて、という会社では現実に起こりうる話です。上のツールは0の要素が2つ以上になると警告を出します。

よくある質問

業種目は1つだけ計算すればよいですか

いいえ。小分類の業種目に当たる場合はその小分類と、属する中分類の2通りを計算し、低いほうを採ります。中分類に当たる場合は中分類と大分類の2通りです。上のツールで業種目を変えて2回計算し、結果を比べてください。

斟酌率はどう決まりますか

会社規模によって決まります。大会社0.7、中会社0.6、小会社0.5です。規模の判定は会社規模区分の判定ツールで行えます。

M&Aの価格算定でも使えますか

目的が違います。類似業種比準方式は相続税・贈与税の課税価格を求めるための方法で、上場会社の株価を基準にしながらも斟酌率で減価する仕組みになっています。M&Aの交渉価格を考えるなら、類似会社比較法(EV/EBITDA倍率)DCF法 計算ツールのほうが目的に合います。考え方の違いは株式評価の3つのアプローチ比較で整理しています。

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※ 本ツールは財産評価基本通達180・183の算式を実装した概算です。類似業種のA・B・C・Dは国税庁の公表通達からご自身で転記いただくもので、本ツールはそのデータを保持していません。業種目の判定、評価明細書への記載、特定の評価会社の該当性を含め、実際の申告にあたっては必ず税理士にご確認ください。

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