相続税の概算計算ツール(自社株を含む)

法定相続人の構成と財産の金額を入れるだけで、相続税の総額と納付税額の目安を試算します。オーナー経営者の相続でとくに重くなりやすい自社株(非上場株式)を最初の項目に置き、それが財産全体に占める割合と、現預金で納税をまかなえるかどうかまで表示します。無料・登録不要で、入力した数値はブラウザ内で計算され、サーバーには送信されません。

※ はじめにお断りします。この試算は標準的な計算手順にもとづく概算であり、正式な相続税の計算ではありません。小規模宅地等の特例、生命保険金・死亡退職金の非課税枠、事業承継税制(納税猶予)、生前贈与加算、未成年者控除・障害者控除・相次相続控除などは一切反映していません。また、入力する自社株の評価額は相続税評価額(財産評価基本通達にもとづく金額)である必要があり、M&Aバリュークラウドが提供する企業価値評価レポートの金額とは目的も計算方法も異なります。税額の判断は必ず税理士にご確認ください。

法定相続人の構成と財産の金額を入れると、相続税の総額と納付税額の目安を概算します。入力した数値はブラウザ内で計算され、サーバーには送信されません。

1. 法定相続人

2. 財産と債務

3. 配偶者の取得割合

50%

課税価格の合計額

19,500万円

基礎控除 4,800万円

相続税の総額

2,575万円

課税遺産総額 14,700万円

納付税額の目安(全員合計)

1,288万円

1,288万円/実効税率 6.6%

計算の内訳(万円)

財産の合計(自社株・不動産・現預金・その他)20,000
− 債務・葬式費用500
= 課税価格の合計額19,500
− 基礎控除(3,000万円+600万円×3人)4,800
= 課税遺産総額14,700

相続人ごとの税額(万円)

相続人法定相続分法定相続分に応ずる取得金額速算表の税額実際の取得割合納付税額
配偶者50.0%7,3501,50550.0%0(軽減△1,288
子125.0%3,67553525.0%644
子225.0%3,67553525.0%644
合計2,5751,288

自社株と納税資金

自社株が財産に占める割合

60.0%

評価額 12,000万円

納付税額の目安

1,288万円

申告・納付は原則10か月以内

現預金で払った残り

1,713万円

現預金の範囲内

自社株はすぐに現金化できない財産です。相続税は原則として申告期限(相続の開始を知った日の翌日から10か月以内)までに金銭で一括納付するため、財産の多くが自社株だと、相続人が納税資金を用意できないという問題が起きます。この試算では現預金の範囲で納められる計算ですが、遺産分割の内容によっては特定の相続人に納税が偏ることがあります。対応としては、生前の株価対策、会社による自己株式の買取り、生命保険での資金準備、事業承継税制(納税猶予)の検討、延納・物納などがあります。どれも要件と期限が細かいため、早い段階で税理士に相談してください。

※ 小規模宅地等の特例、生命保険金・死亡退職金の非課税枠、事業承継税制(納税猶予)、生前贈与加算、未成年者控除・障害者控除などは反映していない概算です。実際の税額は必ず税理士にご確認ください。

※ 結果についての重要な注意。上の金額は目安であり、実際の申告額とは一致しません。相続税には税額を大きく下げうる特例が複数あり、本ツールはそれらを反映していません。とくに小規模宅地等の特例(一定の宅地の評価額を最大80%減額)、生命保険金・死亡退職金の非課税枠(それぞれ500万円×法定相続人の数)、事業承継税制(要件を満たす自社株について贈与税・相続税の納税を猶予)は、オーナー経営者の相続で結論が変わるほどの影響があります。逆に、相続開始前の一定期間内の生前贈与を課税価格に加算する生前贈与加算のように、税額を増やす方向に働く規定もあります。税率・控除額は執筆時点の一般的な計算にもとづくもので、税制改正がありえます。また、自社株の相続税評価額は財産評価基本通達(類似業種比準方式・純資産価額方式・配当還元方式)にしたがって別途算定する必要があり、M&Aの譲渡価格や当サービスの評価レポートの金額をそのまま入れると結果が実態から離れます。必ず税理士にご確認ください。

相続税はどういう順番で計算するのか

相続税は「財産を受け取った人がそれぞれ勝手に計算する」税金ではありません。日本の相続税は法定相続分課税方式と呼ばれる仕組みを採っていて、いったん亡くなった方の財産全体に対する税額(相続税の総額)を確定させてから、それを実際に財産を取得した割合で分け合う、という二段階の構造になっています。誰がどう分けても家全体で払う税金の合計は変わらない、というのがこの方式の考え方です。本ツールもこの手順どおりに計算しています。

  1. 課税価格の合計額を出す。自社株の評価額、不動産、現預金、その他の財産を合計し、そこから借入金などの債務と葬式費用を差し引きます。
  2. 基礎控除を引く。基礎控除は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」です。課税価格がこれ以下なら相続税はかからず、原則として申告も不要です(特例を使って0円にする場合は申告が必要です)。
  3. 課税遺産総額を法定相続分で按分する。実際の分け方ではなく、いったん法定相続分どおりに分けたと仮定して各人の取得金額を出します。
  4. 速算表で各人の税額を出し、合計する。これが「相続税の総額」です。
  5. 実際の取得割合で按分する。ここではじめて、実際に誰がいくら相続したかが登場します。
  6. 各種の税額控除を反映する。本ツールでは配偶者の税額軽減のみを扱っています。

相続税の速算表

手順3で出した「法定相続分に応ずる取得金額」に、次の速算表をあてはめます。税額=取得金額×税率−控除額です。累進構造になっているため、財産が増えるほど税率が上がります。ここで大事なのは、この表を適用するのは財産の総額そのものではなく、法定相続分で割った後の金額だという点です。相続人の数が多いほど1人あたりの取得金額が小さくなり、適用される税率も下がるため、同じ財産額でも相続人が多い家庭のほうが税額は軽くなります。基礎控除が相続人の数に応じて増えるのと合わせて、二重に効いてきます。

法定相続分に応ずる取得金額税率控除額
1,000万円以下10%
3,000万円以下15%50万円
5,000万円以下20%200万円
1億円以下30%700万円
2億円以下40%1,700万円
3億円以下45%2,700万円
6億円以下50%4,200万円
6億円超55%7,200万円

※ 執筆時点の一般的な計算にもとづく表です。税制改正がありえます。

配偶者の税額軽減をどう見るか

配偶者が財産を取得した場合、法定相続分に相当する額1億6,000万円のいずれか多い額までは相続税がかかりません。これが配偶者の税額軽減です。効果が非常に大きいため、「配偶者が全部相続すれば税金はゼロになる」と考えたくなりますが、そこには落とし穴があります。配偶者が多く取得すればその分だけ配偶者自身の財産が増え、次にその配偶者が亡くなったとき(二次相続)の相続税が重くなるからです。二次相続では配偶者の税額軽減が使えず、法定相続人の数も減るため基礎控除も小さくなります。一次相続と二次相続を通算して考えると、配偶者が全部取得するのが最適とは限りません。

自社株がある場合はさらに事情が複雑です。税額だけを見て配偶者に自社株を集中させると、会社の議決権が経営に関与しない配偶者に寄り、その後の二次相続でさらに分散するという流れになりかねません。誰に何を相続させるかは、税額と経営権の両方を見て決める必要があります。議決権がどう動くかは議決権比率シミュレーターで確かめられます。制度の仕組みは議決権とはにまとめています。なお、税額軽減の適用には期限内の申告が必要で、遺産分割が終わっていないと原則として使えません(一定の届出で期限を延ばせる場合があります)。

自社株が相続で問題になる理由

オーナー経営者の相続で最大の論点になるのが自社株です。理由は単純で、評価額は大きいのに現金化できないからです。長年利益を積み上げてきた会社の株式は、相続税評価額が数千万円から数億円になることがあります。ところが非上場株式には市場がないため、相続人が「税金を払うために売る」ことは簡単ではありません。相続税は原則として、相続の開始を知った日の翌日から10か月以内に金銭で一括納付します。手元に現預金がなければ、この期限に間に合わせるのは容易ではありません。

本ツールが「自社株が財産に占める割合」と「現預金で払った残り」を表示しているのはこのためです。割合が高く、現預金が不足している状態は、そのままでは相続人が納税に窮する可能性が高いことを示します。よく採られる対応には、生前の株価対策、会社による自己株式の買取り(会社が相続人から株式を買い取り、その代金を納税資金に充てる)、生命保険による資金準備、役員退職金と自社株評価を組み合わせた方法、延納・物納の検討などがあります。いずれも要件と期限が細かく、順番を誤ると使えなくなるものもあります。

もう一つの選択肢が事業承継税制(納税猶予)です。要件を満たせば自社株に対応する相続税・贈与税の納付が猶予され、一定の条件で最終的に免除されます。効果は非常に大きい一方で、認定の申請、雇用の確保、報告の継続といった義務があり、途中で要件を満たさなくなると猶予が打ち切られて利子税とともに納付を求められます。使うかどうかは慎重な検討が必要で、必ず専門家と相談してください。

自社株の「評価額」に何を入れればよいか

このツールで最も注意していただきたいのがここです。相続税の計算に使う非上場株式の価額は、事業承継の株価算定で解説しているとおり、財産評価基本通達にしたがって算定します。会社の規模(大会社・中会社・小会社)に応じて、類似業種比準方式、純資産価額方式、その併用のいずれかを使い、同族株主以外が取得する場合は配当還元方式になることもあります。この計算は決算書だけでなく、株主構成、業種の分類、直前期以前の配当・利益・純資産の推移などが必要で、実務では税理士が行います。どのように依頼するかは株価算定を税理士に依頼するをご覧ください。

一方、M&Aで使われる企業価値評価は「第三者に売るならいくらか」を考えるもので、DCF法・類似会社比較法・時価純資産法などを用います。目的が違うので、同じ会社でも金額は一致しません。両者がどう違うかは非上場株式の評価方法で整理しています。本ツールにM&Aの想定価格を入れると、相続税の概算としては誤った結果になります。相続税の話をしているのか、売却の話をしているのかを、まず切り分けてください。

また、相続の前に株主名簿を整理しておくことも重要です。設立時の名義貸しなどで実態と名簿が食い違っている名義株が残っていると、誰の相続財産なのかで争いになり、評価も納税も止まります。相続が起きてからでは解決に時間がかかるため、元気なうちに整理しておくのが定石です。

こんな場面で使う

  • そもそも相続税がかかるのかを確かめたい。課税価格が基礎控除以下なら税額は0です。まずここを確認します。
  • 自社株の重さを把握したい。財産に占める割合を見て、納税資金の対策が必要かどうかの見当をつけます。
  • 分け方によって税額がどう変わるかを試したい。配偶者の取得割合を動かすと、一次相続の納付額がどう動くかがわかります(二次相続は別途の検討が必要です)。
  • 税理士に相談する前の準備。数字の当たりをつけてから相談すると、論点の整理が早く進みます。相談先の選び方は事業承継の相談先にまとめています。

よくある質問

Q. 小規模宅地等の特例を使うと、いくらくらい変わりますか?

A. 対象となる宅地の種類と面積によりますが、要件を満たす居住用の宅地なら330平方メートルまで評価額を80%減額できるなど、影響は非常に大きくなります。事業用の宅地にも別枠の限度面積があり、複数の宅地がある場合は組み合わせの選び方で結果が変わります。本ツールはこの特例を一切反映していませんので、不動産を多く持つ方の実際の税額は、表示より相当に低くなる可能性があります。適用には申告が必要で、要件も細かいため、必ず税理士にご確認ください。

Q. 生命保険金や死亡退職金は入力に含めますか?

A. これらはみなし相続財産として課税価格に含まれますが、それぞれ「500万円×法定相続人の数」の非課税枠があります。本ツールはこの非課税枠を計算していないため、含める場合は非課税枠を差し引いた後の金額を「その他の財産」に入れてください。なお、役員退職金は会社側では損金になり、その分だけ純資産が減って自社株の評価額が下がるという効果もあります。金額の目安は役員退職金 計算機で試算できます。

Q. 相続人に配偶者と子以外(親・兄弟姉妹)がいる場合は?

A. 本ツールは「配偶者+子」の構成のみを想定しています。子がいない場合、実際には直系尊属(父母など)、それもいなければ兄弟姉妹が相続人になり、配偶者との法定相続分の割合も変わります(配偶者と直系尊属なら2対1、配偶者と兄弟姉妹なら3対1)。また、兄弟姉妹や孫などが相続する場合は税額が2割加算される規定もあります。これらのケースでは本ツールの結果は使えませんので、税理士にご相談ください。代襲相続や養子の数の制限も、実務では論点になります。

Q. 後継者がいない場合、自社株はどうなりますか?

A. 相続人が引き継いでも経営できないなら、株式は「換金できないのに課税される財産」として残り続けます。選択肢としては、第三者へのM&Aによる譲渡、会社による買取り、廃業などがあり、それぞれ税負担も手続も違います。整理の仕方は後継者不在の選択肢にまとめました。承継を進める場合に使える支援制度は事業承継・引継ぎ補助金を、株価の水準感は事業承継の株価相場をご覧ください。

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会社の価値を書面で確かめる

M&Aバリュークラウドでは、決算データから企業価値評価レポートを作成できます。簡易版2,200円・詳細版5,500円(いずれも税込)。登録と試算は無料です。なお、これはM&A・事業承継の検討に使う企業価値評価であり、相続税評価額(財産評価基本通達にもとづく金額)の算定ではありません。相続税の申告に用いる自社株の評価は税理士にご依頼ください。