法人税の実効税率 計算ツール
法人税・地方法人税・住民税(法人税割)・事業税(所得割)・特別法人事業税の5つの税率を入力すると、法定実効税率を自動で計算します。無料・登録不要。課税所得を入れれば税額の目安も表示します。入力した数値はブラウザ内で計算され、サーバーに送信されません。
5つの税率を入力すると、法定実効税率とその内訳を計算します。入力した数値はブラウザ内で計算され、どこにも送信されません。
初期値は一般的な水準の例。自社の税率区分・自治体の超過課税は要確認。
法定実効税率
33.58%
(36.80% ÷ 1.0959)
単純合計(表面)
36.80%
損金算入による差 −3.22pt
内訳(課税所得に対する率に換算)
| 税目 | 課税標準 | 入力税率 | 所得比 |
|---|---|---|---|
| 法人税 | 課税所得 | 23.20% | 23.20% |
| 地方法人税 | 法人税額 | 10.30% | 2.39% |
| 住民税(法人税割) | 法人税額 | 7.00% | 1.62% |
| 事業税(所得割) | 課税所得 | 7.00% | 7.00% |
| 特別法人事業税 | 課税所得(換算後) | 2.59% | 2.59% |
| 合計(分子) | 36.80% | ||
| ÷(1+事業税率+特別法人事業税率) | 損金算入の調整 | 1.0959 | 33.58% |
税額の目安(課税所得を入力した場合)
課税所得(万円)を入力すると、税目ごとの税額と実効税率ベースの税額の目安を表示します。
※ 表示されるのは目安です。均等割、軽減税率の区分、外形標準課税の付加価値割・資本割、繰越欠損金、各種税額控除などは含まれていません。実際の税額・適用税率は税理士等の専門家にご確認ください。
法定実効税率とは
法定実効税率とは、法人の所得にかかる複数の税金をまとめて「所得に対して何%か」に直した税率のことです。日本の法人には、国税である法人税と地方法人税、地方税である住民税(法人税割)・事業税(所得割)・特別法人事業税が課されます。それぞれ課税標準(税率をかける対象)が違うため、単純に税率を足しても実態は表せません。そこで、共通のものさしである「課税所得」に換算し直したうえで合計するのが実効税率の考え方です。企業価値評価や設備投資の判断で「税引後の利益」「税引後のキャッシュフロー」を見積もるときは、この法定実効税率を使うのが一般的です。
分子の前半にある「法人税率 ×(1 + 地方法人税率 + 住民税法人税割率)」は、地方法人税と住民税法人税割が法人税額を課税標準としているためです。たとえば法人税率が23.2%、住民税法人税割が7.0%なら、住民税は所得に対しては23.2%×7.0%=1.62%相当になります。所得に対する率へ換算してから足す、という一手間がこの部分です。
なぜ分母で割るのか(事業税の損金算入)
この式のいちばんの山場が分母の「1 + 事業税率 + 特別法人事業税率」です。法人税・住民税は、支払っても税務上の損金(費用)にはなりません。ところが事業税と特別法人事業税は、原則として実際に納付した事業年度の損金に算入されます。つまり事業税を払うと、そのぶん翌期の課税所得が減り、法人税等も減るという関係になります。
この「税金が税金を減らす」効果を、毎期同じ所得が続くと仮定して1年分に引き直したのが分母の調整です。分子だけを見た単純合計(表面的な税率)よりも、実効税率は必ず低くなります。ツールでは単純合計と実効税率の両方を並べ、損金算入によって何ポイント下がるかも表示しています。なお、事業税は「発生した期」ではなく「納付した期」の損金になるため、単年度の申告書上の税負担率と法定実効税率は一致しないのが普通です。法定実効税率は、あくまで長期の平均的な負担率を表すものだと理解しておくと混乱しません。
どこで使うのか
- 企業価値評価。DCF法では、営業利益に(1 − 実効税率)を掛けて税引後営業利益を求め、そこからフリー・キャッシュ・フローを組み立てます。実効税率を1ポイント動かすだけで評価額は動くため、前提の置き方は必ず記録しておきます。
- WACCの計算。負債コストには「支払利息が損金になる」効果があるため、税引後負債コスト=負債コスト×(1 − 実効税率)として織り込みます。
- 税効果会計。繰延税金資産・負債を計算するときの基礎になる税率も、原則として法定実効税率です(回収可能性の判断は別論点です)。
- 時価純資産法での含み益に対する税効果。含み益がある資産を時価評価するとき、将来の課税相当額を控除する場面で使います。
- 設備投資や新規事業の採算判断。税引後で回収期間を測るときの前提になります。
入力するときの注意点
- 初期値は一般的な水準の例です。自社の税率区分(資本金の額、所得金額の段階、外形標準課税の適用有無)や、本店・事業所のある自治体の超過課税によって適用税率は変わります。実際の適用税率は申告書や税理士に確認してください。
- 特別法人事業税は、事業税(所得割)の額を課税標準とする国税です。本ツールは「課税所得に対する率」で入力する形にしているため、事業税率×付加割合で換算した値を入れます。ボタンで換算もできます。
- 住民税法人税割は道府県民税と市町村民税の合計で入力します。標準税率か超過税率かで数字が変わります。
- 均等割(赤字でもかかる定額部分)、外形標準課税の付加価値割・資本割、繰越欠損金の控除、各種税額控除は本ツールでは考慮していません。
- 所得が一定額以下の中小法人には軽減税率が適用される場合があり、その場合の実質的な負担率はここで求めた法定実効税率より低くなります。
よくある質問
Q. 実効税率と表面税率は何が違いますか
表面税率は各税率を課税所得ベースに換算して単純に足したもの、実効税率は事業税等の損金算入効果を分母で調整したものです。式でいえば分子が表面税率、分子÷分母が実効税率にあたります。したがって実効税率は表面税率より低くなります。ツールでは両方を並べて表示しているので、差がどのくらいかを確認できます。
Q. 申告書で計算した税負担率と一致しません
一致しないのが通常です。交際費の損金不算入、受取配当等の益金不算入、繰越欠損金の使用、税額控除、均等割などにより、単年度の負担率は上下します。法定実効税率は、そうした個別要因を除いた「制度上の税率」を示す指標だと考えてください。実際の税額の見込みは税理士にご相談ください。
Q. 評価では何%を使えばよいですか
正解が一つに決まるものではありません。実務では、対象会社の実際の適用税率区分をもとに算定した法定実効税率を使い、その根拠を評価書に明記します。将来の税制改正の見込みまでは織り込まないのが一般的です。詳しくは株価算定と税理士の関わりや中小企業M&Aの税制もあわせてご確認ください。
Q. 赤字の会社でも実効税率は使いますか
将来の計画で黒字化する前提なら、その黒字年度の税負担を見積もるために使います。ただし繰越欠損金があると当面の実際の納税は抑えられるため、評価では欠損金の残高と使用見込みを別途考慮するのが一般的です。事業承継の場面での税の扱いは事業承継と税制で整理しています。
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- 無料ツール:DCF法 計算ツール、EBITDA 計算ツール、EV/EBITDA倍率 企業価値計算機、株式譲渡の手取り計算機。
※ 本ツールが示すのは目安であり、税務上の助言ではありません。税率・制度は執筆時点の一般的な理解にもとづく例です。適用される税率区分、自治体の超過課税、各種特例の適用可否は変わることがあります。実際の税額・税率は必ず税理士等の専門家にご確認ください。
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