非上場株式の評価の見直し|自社株評価の改正点・時期と株価への影響
最終更新: 2026-10-25
「自社株の評価が変わるらしい」「非上場株式の評価方法が見直される」という話を耳にして、事業承継やM&Aの計画に影響があるのか気になっている経営者や支援者の方は多いと思います。実際、非上場株式(財産評価基本通達でいう「取引相場のない株式」)の相続税評価をめぐっては、すでに確定した改正と、通達案の段階のもの、そして国税庁の有識者会議で検討が続いている見直しが同時に進んでいます。
本稿では、財務省・国税庁・会計検査院などの公的資料をもとに、それぞれの内容・時期・影響を受けやすい会社を整理し、仮定の数字で株価への影響を確認します。最後に、相続税評価とM&Aで売れる価格の違い、事業承継・M&Aでの実務対応をまとめます。現行の評価の仕組みそのものは取引相場のない株式の評価方法で解説していますので、あわせてご覧ください。
結論:「確定した改正」「案の段階」「検討段階」を分けて把握する
2026年10月25日時点で確認できた、非上場株式の評価に関わる主な動きは次のとおりです。報道や解説記事では、これらが混ざって語られることがあるため、まず状況を区別しておくことが大切です。
| 項目 | 状況 | 適用時期 | 根拠となる公的資料 |
|---|---|---|---|
| 純資産価額の「評価差額に対する法人税額等相当額」の割合を37%から38%へ | 確定(通達改正済み) | 令和8年4月1日以後の相続・遺贈・贈与 | 国税庁「財産評価基本通達の一部改正について」(令和8年3月25日) |
| 居住用の区分所有財産(分譲マンション)の評価 | 確定(評価会社が持つマンションにも適用) | 令和6年1月1日以後の相続・遺贈・贈与 | 国税庁「居住用の区分所有財産の評価について」(令和5年9月28日) |
| 貸付用不動産の評価(課税時期前5年以内の取得分・不動産小口化商品) | 税制改正大綱に記載、国税庁が通達案を意見公募(受付は終了) | 令和9年1月1日以後の相続・遺贈・贈与(案) | 「令和8年度税制改正の大綱」(令和7年12月26日閣議決定)、e-Govパブリック・コメント(令和8年9月18日公示) |
| 取引相場のない株式の評価方式そのもの(類似業種比準方式・会社規模区分・特定の評価会社・配当還元方式など) | 検討段階(国税庁の有識者会議で議論中) | 未定 | 国税庁「取引相場のない株式の評価に関する有識者会議」配付資料(第1回 令和8年4月20日〜第6回 同年9月16日) |
つまり、自社株評価の算式に直接手が入った「確定した改正」は、執筆時点では純資産価額方式の控除割合の変更が中心です。一方で、評価方式の抜本的な見直しは検討段階であり、具体的な算式や適用時期は決まっていません。以下、順に見ていきます。
確定した改正①:法人税額等相当額の控除割合が38%に
純資産価額方式では、会社の資産・負債を相続税評価額に置き換えて1株当たりの純資産を求めます。このとき、相続税評価額による純資産と帳簿価額による純資産の差(評価差額、いわゆる含み益)に一定割合を掛けた金額を「評価差額に対する法人税額等に相当する金額」として控除します(財産評価基本通達186-2)。計算の流れは純資産価額方式とはで詳しく解説しています。
この割合が、令和8年3月25日付の通達改正により37%から38%に改められました。改正後の通達では、割合の内訳が「法人税(地方法人税及び防衛特別法人税を含む。)、事業税(特別法人事業税を含む。)、道府県民税及び市町村民税の税率の合計に相当する割合」とされています。改正の趣旨は、所得税法等の一部を改正する法律(令和7年法律第13号)の一部の施行に伴うものと説明されており、令和8年4月1日以後に相続、遺贈又は贈与により取得した財産の評価に適用されます。
数値例:含み益が大きい会社ほど影響が出る
仮定の数字で比べてみます。発行済株式数1万株、相続税評価額による純資産3億円、帳簿価額による純資産1億円(評価差額2億円)の会社とします。
| 項目 | 改正前(37%) | 改正後(38%) |
|---|---|---|
| 相続税評価額による純資産 | 3億円 | 3億円 |
| 評価差額(含み益) | 2億円 | 2億円 |
| 法人税額等相当額(評価差額×割合) | 7,400万円 | 7,600万円 |
| 控除後の純資産価額 | 2億2,600万円 | 2億2,400万円 |
| 1株当たり純資産価額 | 22,600円 | 22,400円 |
この例では1株当たり200円、全体で200万円ほど純資産価額が下がります。影響の大きさは評価差額に比例するため、土地の含み益が大きい会社や、純資産価額方式の比重が高い小会社・特定の評価会社ほど効いてきます。ただし変化幅は1ポイントで、株価が大きく動く改正ではありません。自社の純資産価額は無料の純資産価額の計算ツールで目安を確認できます。
確定した改正②:マンションの評価見直しは評価会社の保有分にも及ぶ
令和6年1月1日以後の相続・贈与から、居住用の区分所有財産(いわゆる分譲マンションの一室)は、築年数・総階数・所在階・敷地持分狭小度から求める「区分所有補正率」を使って評価されるようになりました(国税庁「居住用の区分所有財産の評価について」令和5年9月28日)。
自社株評価との関係で押さえておきたいのは、国税庁の「居住用の区分所有財産の評価に関するQ&A」(令和6年5月)で、取引相場のない株式を純資産価額方式で評価する際、評価会社が所有するマンションの一室にもこの評価方法が適用されると明記されている点です。同じQ&Aでは、評価会社が課税時期前3年以内に取得等したものは、通達185の括弧書きにより「課税時期における通常の取引価額に相当する金額」で評価されることもあわせて示されています。社宅や投資用としてマンションを保有している会社は、純資産価額が以前の評価より上がっている可能性があります。
案の段階:貸付用不動産の評価見直し(令和9年1月から)
「令和8年度税制改正の大綱」(令和7年12月26日閣議決定)には、「相続税等の財産評価の適正化」として、貸付用不動産の市場価格と相続税評価額の乖離の実態を踏まえた見直しが盛り込まれました。これを受けて国税庁は、令和8年9月18日に「貸付用不動産の評価について」の法令解釈通達(案)を公表し、意見公募(受付は同年10月18日まで)を行いました。案の主な内容は次のとおりです。
- 課税時期前5年以内に対価を伴う取引で取得・新築された貸付用不動産は、課税時期における通常の取引価額に相当する金額で評価する。
- ただし、取得価額がその取得時の通常の取引価額に相当すると認められる場合は、土地等は「取得価額×地価変動率」、家屋等は「取得価額-取得から課税時期までの償却費の額の合計額等」の、それぞれ100分の80に相当する金額で評価できる。
- 不動産特定共同事業契約や一定の信託受益権など、小口化された貸付用不動産(特定小口化商品)は、取得時期にかかわらず通常の取引価額で評価する(精通者意見価格等を参酌する方法も示されています)。
- 収用・交換・特定の事業用資産の買換えなどの特例の適用を受けた一定のものや、通達制定日までに一定の土地に新築された家屋などは、課税上弊害がない限り対象から除く扱いが示されている。
- 適用時期は、令和9年1月1日以後に相続、遺贈又は贈与により取得した財産の評価(案)。
執筆時点では、確定版の通達の公表は確認できていません。内容は案の段階のものとしてご覧ください。
自社株評価との関係:案では通達185の対象には適用しないと明記
自社株評価の実務で気になるのは、「会社が持っている賃貸不動産も5年ルールの対象になるのか」という点です。通達案の注記には、「評価基本通達185((純資産価額))に定める土地等又は家屋等を評価する場合における当該土地等又は家屋等には、本項の定めの適用がないことに留意する」と書かれています。
通達185では、純資産価額の計算上、評価会社が課税時期前3年以内に取得又は新築した土地等・家屋等は、課税時期における通常の取引価額で評価する(帳簿価額が通常の取引価額に相当すると認められる場合は帳簿価額によることができる)と定めています。つまり会社の3年以内取得分は、従来から通常の取引価額での評価であり、新しい5年ルールとは別の枠組みで扱われることが案で示された形です。
一方、評価会社が3年超5年以内に取得した貸付用不動産をどう扱うかは、案の文言だけでは明確に読み取れません。また、国税庁の有識者会議の資料でも、純資産価額方式の今後の論点として「法人が3年以内に取得した不動産の取扱い」「法人が取得した貸付用不動産の評価」が挙げられています(第5回・第6回資料)。確定版の通達や国税庁の解説が出るまでは推測で判断せず、税理士等の専門家に確認してください。
数値例:会社が賃貸ビルを取得してからの年数で株価が変わる
現行の通達185の3年ルールが株価に与える影響を、仮定の数字で確認します。賃貸ビルを3億円(帳簿価額も3億円とします)で取得した会社で、その他の資産は1億円(帳簿価額=相続税評価額)、負債は1.5億円、発行済株式数は1万株とします。路線価等による相続税評価額(貸家建付地・貸家として評価した額)は1.2億円と仮定します。
| 項目 | 取得後3年以内に相続 | 取得後3年超で相続(現行ルール) |
|---|---|---|
| 賃貸ビルの評価額 | 3億円(通常の取引価額=帳簿価額と仮定) | 1.2億円(路線価等による評価と仮定) |
| その他の資産 | 1億円 | 1億円 |
| 負債 | 1.5億円 | 1.5億円 |
| 相続税評価額による純資産 | 2.5億円 | 0.7億円 |
| 評価差額(含み益) | 0円 | なし(帳簿価額による純資産2.5億円を下回るため) |
| 1株当たり純資産価額 | 25,000円 | 7,000円 |
説明を単純にするため、減価償却や評価差額がマイナスの場合の細かな扱いは省略しています。同じ会社でも、取得からの年数で純資産価額が3倍以上違うことがわかります。こうした差が、相続直前の不動産取得による評価圧縮として問題視されてきた背景です。会社の資産に占める土地の割合が高い場合は、土地保有特定会社に該当して純資産価額方式での評価になることもあります。判定は特定の評価会社の判定ツールで確認できます。
個人で持つか、会社で持つかの比較も変わる
個人が相続前5年以内に取得した貸付用不動産は、案どおりなら令和9年からは通常の取引価額(取得価額をもとにした80%評価など)で評価されることになります。会社で保有する場合の扱いが今後どう整理されるかによって、「個人で持つか、資産管理会社で持つか」の比較結果も変わり得ます。不動産を多く持つ会社の評価の考え方は不動産業・賃貸業の企業価値評価も参考になります。
検討段階:取引相場のない株式の評価方式の見直し
きっかけは会計検査院の指摘
会計検査院は、令和6年11月6日に内閣へ送付した「令和5年度決算検査報告」で、相続等により取得した取引相場のない株式の評価を取り上げました。令和2・3年分の申告から無作為抽出した1,600件を検査した結果として、次のような点が示されています。
- 類似業種比準価額の中央値は、純資産価額の中央値の27.2%にとどまる。
- 純資産価額に対する申告評価額の割合の中央値は、大会社0.32倍、中会社0.50倍、小会社0.61倍で、規模の大きい区分ほど評価額が相対的に低い傾向がある。
- 配当還元方式の還元率(10%)は、近年の金利水準と比べて相対的に高い率となっているおそれがある。
そのうえで、異なる規模区分の会社の株式を取得した人の間の公平性や社会経済の変化を考慮し、評価制度の在り方を検討していくことが肝要との所見が示されました。
国税庁が有識者会議を設置(令和8年4月〜)
国税庁は令和8年4月16日、検査院の指摘も踏まえて「取引相場のない株式の評価に関する有識者会議」を開催すると公表し、4月20日の第1回から9月16日の第6回まで、会議資料と議事要旨を順次公表しています。第5回(8月20日)では、事務局が「国税庁の考える評価の見直しの方向性」として、次のような案を示しました。
- 会社規模による区分を廃止し、広い範囲の会社を共通の評価方式で評価することが考えられるか。
- 類似業種比準方式は理論的な根拠や実証的な裏付けがなく、存置は困難ではないか。
- 収益力を重視するインカムアプローチを主軸とし、「仮に」簿価純資産をベースに数年分の超過収益を加減する残余利益方式を採用した場合のイメージ。
- 純資産価額方式は原則的評価方式ではなく、特定の評価会社の評価方式と位置付けてはどうか。
- 配当還元方式は、適用範囲などを見直したうえで特別の例外として存置してはどうか。
- 会社規模の操作や、オペレーティングリース・役員報酬などによる利益の一時的な操作といった評価額圧縮スキームへの対応。
第6回(9月16日)の資料では、さらに具体的な論点として、残余利益の加算期間を5年程度とすること、法人税申告書の数値をベースにすること、ターミナルバリューは加算しない案、特定の評価会社を「資産管理会社(土地保有特定会社と株式等保有特定会社を整理統合)」「組織再編直後の会社」「開業後5年未満の会社」などに整理する案が示されています。資産管理会社の判定は、事業承継税制の「資産保有型会社」「資産運用型会社」(特定資産の割合70%以上、運用収入の割合75%以上)を参考に、帳簿価額で行う案です。現行の判定基準は株式等保有特定会社とはで解説しています。
事務局の試算:大会社は上がり、小会社は下がる傾向
第6回資料には、令和2年分〜5年分の申告から抽出した1,378社について、残余利益方式(加算期間5年、還元率8%と仮定)で試算した評価水準が掲載されています。純資産価額を100とした場合の中央値は次のとおりです(しんしゃく率は複数の仮定値で試算されています)。
| 区分 | 現行の申告評価額 | 残余利益方式(しんしゃく率0.8と仮定) | 現行比の増減(中央値) |
|---|---|---|---|
| 全体(1,378社) | 58.2 | 57.3 | +2.3% |
| 大会社(128社) | 38.2 | 63.8 | +71.7% |
| 中会社(820社) | 53.4 | 59.2 | +12.1% |
| 小会社(430社) | 63.8 | 50.5 | ▲21.8% |
同じ資料では、しんしゃく率0.8の場合に現行の申告評価額以下となる会社の割合は、小会社で67.9%、大会社で24.2%と示されています。規模の大きい会社ほど評価が上がり、収益力の低い小会社ほど下がる傾向ですが、還元率・しんしゃく率とも仮定の数字であり、実際の水準は決まっていません。
数値例:残余利益方式のイメージ(検討段階の算式による試算)
事務局案の考え方は、簿価純資産に「利益-期首純資産×還元率」で求めた残余利益の5年分の現在価値を加え、しんしゃく率を掛けるというものです。仮定の数字で、簿価純資産2億円・配当なしの会社2社を比べます(還元率8%、しんしゃく率0.8は資料と同じ仮定値)。
| 項目 | A社(年利益3,000万円) | B社(年利益500万円) |
|---|---|---|
| 直前期末の簿価純資産 | 2億円 | 2億円 |
| 1年目の残余利益(利益-2億円×8%) | 1,400万円 | ▲1,100万円 |
| 5年分の残余利益の現在価値合計 | 約3,820万円 | 約▲4,687万円 |
| しんしゃく率0.8を掛けた評価額 | 約1億9,056万円 | 約1億2,250万円 |
| 1株当たり(発行済1万株) | 約19,056円 | 約12,250円 |
2年目以降は、前期末の純資産に利益(配当控除後)を積み増してから還元率を掛けるため、残余利益は年々小さくなります。株主が期待する収益率(ここでは8%)を下回る収益力の会社は、簿価純資産より低い評価になるのが、この方式の特徴です。考え方はM&Aで使うDCF法や株主資本コスト(CAPM)と共通する部分がありますが、税務の評価として簡便化・画一化した案である点が異なります。
時期は未定、委員からは慎重論も
第4回の議事要旨では、事務局が「今回の見直しは税制改正プロセスを経て行う」「今秋を目途に一定の方向性をお示しできるよう進めてまいりたい」と説明しています。一方で、委員からは、事業承継計画への影響を踏まえた十分なリードタイムが必要、類似業種比準方式を廃止していきなり残余利益方式に移るのは飛躍がある、といった慎重な意見も出ています。評価方式の見直しは、算式・水準・適用時期のいずれも決まっていない検討段階であり、今後の税制改正大綱や国税庁の公表資料を確認する必要があります。
影響を受けやすい会社
確定した改正と検討中の見直しを合わせると、次のような会社は特に動向を確認しておきたいところです。
- 不動産を多く持つ会社:賃貸ビル・賃貸マンション・分譲マンションの一室などを保有している会社は、マンション評価の見直しがすでに純資産価額に反映されているほか、貸付用不動産の扱いが今後の論点になっています。
- 直近で不動産を取得した会社:通達185の3年以内ルールの対象となり、純資産価額が高く出ることがあります。
- 類似業種比準価額で評価が大きく下がっている大会社・中会社:検討中の見直しの試算では、評価が上がる傾向が示されています。現行の算式は類似業種比準方式とは、会社規模の区分は会社規模の判定ツールで確認できます。
- 収益力が低く、純資産価額で評価されている小会社:試算上は評価が下がる会社の割合が高い区分です。
- 資産管理会社・持株会社:特定の評価会社の区分が整理統合される案があり、判定が変わる可能性があります。持株会社の仕組みは持株会社(ホールディングス)とはをご覧ください。
- 配当還元方式で評価している少数株主がいる会社:適用範囲の見直しが論点に挙がっています。現行の判定は同族株主の判定と配当還元方式と同族株主の判定ツールで確認できます。
相続税評価とM&Aで売れる価格は別物
ここまでの話は、すべて相続税・贈与税を計算するための評価(財産評価基本通達による評価)です。M&Aで第三者に株式を売るときの価格は、買い手が将来の収益やシナジーをどう見るかを踏まえた交渉で決まり、DCF法・類似会社比較法・時価純資産法に営業権を加える方法などで目安を立てます。通達の改正があっても、M&Aで売れる価格が直接変わるわけではありません。
| 比較の観点 | 相続税評価(財産評価基本通達) | M&Aの株式価値 |
|---|---|---|
| 目的 | 相続税・贈与税の課税価格を計算する | 売り手と買い手が取引価格を決める |
| 決め方 | 通達の算式で画一的に計算 | 将来収益・リスク・シナジーを踏まえて交渉 |
| 主な方法 | 類似業種比準方式・純資産価額方式・配当還元方式 | DCF法・類似会社比較法・時価純資産+営業権など |
| 改正の影響 | 通達改正で直接変わる | 直接は変わらない(税負担を通じて売り手の判断に影響し得る) |
両者の違いは事業承継の株価算定|相続税評価とM&A評価の違いや株価算定と税理士で、評価方法の全体像は非上場株式の評価方法で詳しく整理しています。
事業承継・M&Aでの実務対応
- 現行ルールで株価を計算し直しておく:令和8年4月以後の相続・贈与では38%の控除割合を使うため、以前に作った株価試算を更新しておくと、比較の起点ができます。
- 保有不動産の取得時期と種類を一覧にする:取得から3年以内か、賃貸用か、マンションの一室かを整理しておくと、改正や見直しの影響を確かめやすくなります。
- 検討段階の情報で承継の時期や手法を決め打ちしない:評価方式の見直しは算式も時期も未定です。贈与の前倒しなどを検討する場合も、確定した情報と税理士等の専門家の判断をもとに進めてください。
- 事業承継税制の利用可否もあわせて確認する:評価額だけでなく、納税猶予の要件を満たせるかで税負担は大きく変わります。事業承継税制とはをご覧ください。
- M&Aを検討しているなら、売れる価格の目安を別に持つ:親族内承継と第三者への売却を比べるには、相続税評価とは別に、市場で売れる価格の目安が必要です。企業価値・事業価値・株式価値の違いも参考になります。
- 役員退職金の支給時期も株価に関わる:退職金の支給で利益や純資産が下がると株価にも影響します。詳しくは役員退職金と自社株評価で解説しています。
相続税評価の各数値は、純資産価額・類似業種比準価額・会社規模の判定などの無料ツールで確認できます。M&Aで売れる価格の目安は、M&Aバリュークラウドで試算できます(会員登録と試算までは無料で、報告書は有料)。